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2012年04月29日

読書日記 Vol.010『中国化する日本』

『中国化する日本』
與那覇潤著
文藝春秋

少し前に話題になった本。

多忙にかまけ読み切るのに1ヶ月かかりました。

が、これはこれまでの歴史観の大きく変わる一冊です。
何の役に立つかもよくわからんかった歴史学の重要性を理解できたことも収穫のひとつ。

本書で語られる「中国化」とは、決して現在の中国ではなく、宋朝が千年前に創ったシステムに世界が近づいているということ。

・身分制(貴族階級)・世襲制撤廃
・移動や営業の自由、職業選択の自由による市場の自由化
・科挙制度(官僚登用制度)による機会の均等化

所謂グローバリゼーションの先駆けですな。

そしてその対比として表現されているのが「江戸時代化」。

日本は幾度と「中国化」の機会があったけど、結局「江戸時代化」へと回帰。
「中国化」と「江戸時代化」、その善し悪しは本書では結論づけていないのだけど、いよいよ「中国化」の流れが止められない現代(特にポスト3.11)において日本社会はどう在るべきかが本書の主題かな。

なお、本書の構成は日本史・世界史の流れに沿いつつも、文体は日本史のトレンドである戦国時代・明治維新やヨーロッパ文化をディスったりと、かなりの毒舌っぷり。
と言いつつ、歴史教養の殆どを忘れた自分としては、幾分かの懐かしさもあり、再度歴史を学びたく。

さらに、もうひとつ思慮深いキーワードとして登場したのが「ブロン理論」。

簡単に言うと、良いところ取りを狙った結果、悪いところ取りになってしまうことなのですが、これは社会も企業も同じですね。

ベンチマークは戦略上重要なことだけど、結局ストーリーをしっかりと捉えておかないと自滅しちゃうよねと。
(某独裁国家が最たる例のようで。。。)


さて、今回読み切るのに時間がかかりすぎたので、少し後に再読したいと思います。

投稿者 nobuhiro : 08:42 | コメント (12) | トラックバック