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2012年05月25日

読書日記 Vol.014『街場のメディア論』

『街場のメディア論』
内田樹著
光文社新書

TV、新聞、出版等のメディア業界の本質的な問題を説いた本。
大学の講義内容がベースなため、スラスラと読めました。

前半の大筋の流れとしては「マイノリティ憑依」の話とも強く結び付きます。
メディアが庶民の代表として「無知・無能」を武装し、「被害者」=「正義」を振りかざすとか正に。

なお、本書での一番の気付きはマスコミの「変化への異常なまでの固執」の話。

"変化の内容"を"情報"という商材としているのがこの業界。
そして、変わらないものに対しては非難の対象にする。
何故ならば飯の種が無くなるから。

ときに医療や教育など簡単に変わるべきでないものへもバッシングし、そして市場原理を適用しようとする。
果たしてそれが適正な姿なのかも考えないままに。


また、後半の出版の話はとても著者らしい内容でした。

電子書籍の一番の問題は書棚などに空間的に形作れないこと。
つまり”積読”状態もできず、自己教化の手がかりも構築できない、また蔵書を残すこともできない。

自分も読んだ本は(今のところ)処分せず書棚に並べています。
頑張って読んだ本を眺めるのも好きなのでこの考えにはとても共感です。

なので、電子書籍にも当分は手を付けないでしょう。
所詮この程度の読書量だとコスト面でも大きな違いはないだろうし。

さて、次に読む予定の2冊もメディア関連。
偏り過ぎてる自覚はあります。

投稿者 nobuhiro : 23:15 | コメント (14) | トラックバック

2012年05月18日

読書日記 Vol.013『ノマドライフ』

『ノマドライフ』
本田直之著
朝日新聞出版

何にでも挑戦したくなるモチベーションが上がる一冊でした。

ノマドに興味ない人でも柔軟な思考力を養うためのヒントが多くあると思います。
ベンチャー精神とも近い部分があるかな。

結局の勘所としては、やはり成功に近道はなく、何事にも徹底した準備や計画立ての期間が必須ということ。

本書のノマドライフ成功のための準備期間としては、ノウハウ蓄積期、ビジネスの種蒔き期、転換期、実践期等。

特に将来本業と成り得るビジネスの種撒きの期間、ここの過ごし方如何が最も将来を左右するのでは、と個人的には感じています。
定めた方向性のもと、将来の土台となる経験を積むわけで、自分形成に最も影響しそうだからね。

あとは自明ながら、社畜では全然ダメだということも痛いほど分かる。
会社の仕組みをベースに成果を出せば出すほど、その会社での優秀なワーカーとなってしまい、別の働き方がまったくできなくなりますよねと。

寧ろ仕組みを学び取る貪欲さが必要ということで、その部分は環境面でも恵まれており、一応実践できてるかな。

押しつけがましくもなく平易な内容で気軽に読めるので、少しでもノマドに興味のある方は手に取ってみると良いと思います。

ちなみに自分の性格上、ノマド生活はとても無理そうです。
それはわかっている。

投稿者 nobuhiro : 22:04 | コメント (17) | トラックバック

2012年05月14日

読書日記 Vol.012『ソーシャルブレインズ入門』

『ソーシャルブレインズ入門』
藤井直敬著
講談社現代新書

日経ビジネス Associeの読書特集で買った本、その2。

ソーシャルブレインズ(社会脳)とは「社会で生きていくための脳の働き」のこと。

第1章の脳はネットワークである等の内容は非常にワクワク。

そして第2章以降では社会的ネットワークとの結び付きなどがメインで論述されるのかと思ってたのですが、どちらかと言うとその始まったばかりである研究の方針説明が中心な印象で多少拍子抜けな本でした。

ただ、「認知コスト」の視点は面白い。

認知コストとは簡単に言うと、新規事象発生に伴う時間面や精神面でのコストのこと。

慣れ親しんだ環境から一歩飛び出すのはコストがかかる。
また何でもやり放題な自由環境があったとすると、そこでは何でもできる代わりに何をやるにも多大なコストが発生する。
#現在社会はこの認知コストを下げるため、各レイヤでルール(法律、校則、家庭内ルール)がある。

そもそも本書は日経ビジネス Associeの「発想力」のテーマで紹介されていた本。

この認知コストを念頭に置くと、物事に対して色んな見方ができそう。

例えば、各種サービス(飲食店でもWebサービスでも)は出来る限り顧客の認知コストを下げる工夫をすべき。(ユーザビリティやアクセシビリティの上位概念ですね。)

仕事面では、上司の言いなりだと認知コストはかからない。しかし、果たしてそれで良いのか。
自己成長の観点では、敢えて認知コストが大きく発生する道を選ぶとか。

集団心理とか空気を読む、とかも当てはまりそうですね。
うん、面白い。

しかし、クドいけどモヤモヤが残る一冊でした。
ネットワーク論の勉強がしたくなった。。。

投稿者 nobuhiro : 19:47 | コメント (16) | トラックバック

2012年05月09日

読書日記 Vol.011『社会的ジレンマ』

『社会的ジレンマ』
山岸俊男著
PHP新書

日経ビジネス Associeの読書特集で買った本、その1。

社会的ジレンマとは、個人の合理的な選択が社会としての最適な選択に一致せず乖離が生じるジレンマのこと。

例えば、環境問題や道路渋滞、時勢的に節電や復興ボランティアなどでしょうか。

所謂囚人のジレンマに代表されるゲーム理論を社会心理学の観点から説いた内容ですね。

以下、ハッとさせられたこと。

・インセンティブ等の外的な環境面のみの整備では、必ずしも良い結果とならない。
→多大なコストが必要だったり、過剰統制に発展してしまう。
 さらに外的モチベーションは内的モチベーションを破壊してしまう。

・限界質量と行動心理。
 同じ人が環境により違う行動を取る。
 ・周りが非協力行動を取っていたら、協力マインドを持つ人も非協力行動を取ってしまう。
 ・逆に周りが協力行動を取れば自身も協力行動を取りやすい。
→初期値としてどれだけの人が協力行動を取っているかが大事。

2000年初版の本書ですが、今でも全く色あせることなく、なお多くの命題を与えてくれる内容だったと思います。

投稿者 nobuhiro : 23:43 | コメント (15) | トラックバック